原付バイクで街駆け巡りナース 

訪問看護に転職したナースの日常ブログ。 こんなナースもいるんだと共感したり励みになって頂けたらと発信します。

踏ん張った関わりに結果が出た日

年内最後の訪問日。

嬉しかった出来事がありました。

リハビリが進まずにいた方が

外を歩行できたのです。 

 

とある癌で治療中に骨折したが治癒。

リハビリ後に退院。

入院中も積極的に動かず、

まだ60代女性ですが、廃用状態でした。

 

疼痛コントロールは良好となり

室内は時々動けるようになりました。

しかし、もう少し動ける力はあるのに

不安と自信がない為

リハビリ意欲が上がらずにいました。

 

家族からは甘えてるから

もっと厳しくして欲しい。

リハビリ専門の方にお願いした方が

いいのでしょうか?との声もあり

訪問看護が来てもリハビリが進んでない

と思われているようで板挟みでした。

 

何かきっかけがあったり

少し背中を押すと動ける様子がありましたが

まずは、ゆっくり話を聞き

今の気持ちを一緒に整理することを徹底し

動き出すタイミングを伺いました。

 

家族へは、本人がやる気にならないと

リハビリは逆効果になることを

お伝えして、一緒に見守りました。

 

その後

「今日は台所に立てたんです」

「足元に落ちた物を拾えたんです」

と報告や出来ることが増えるにつれ

表情も明るくなりました。

 

「もっと歩いてみたいと思う」と声を聞き

今だ!と思い玄関前の歩行訓練を提案。

了承され実行できたのです。

 

「動けるまで、自分の気持ちと向き合うことが

1番大変でした。主婦として家事を今まで全て

やっていたのに、出来ないのが悔しかったんで

す。この状況を受け入れるのには、時間が必要

でした。色々話を聞いてくれて助かっていまし

た」と歩行後に話されたのです。

 

 

主体的なることが重要だ

前向きな気持ちが持てずリハビリが

なかなか進まない状況がありました。

どんなことにも言えますが、主体的であること

や本人のモチベーションが大切です。

 

動けない気持ちに寄り添おう

リハビリに前向きになれないことには

何か理由があります。

意欲的になれない理由に寄り添い

1つ1つ問題を解決できるような関わりが

必要だと思います。

 

小さな成功が大きな自信になる

彼女の場合は、出来る動作が増え

それが自信となり少しずつ行動が拡大して

いきました。

小さな成功体験を積み重ねていくことで

自信に繋がります。

「次はあんなことも出来るかも」とワクワク

できると良いでしょう。

 

 

訪問していても、何も変わらずこのままで

良いのか、力不足なのかと

悩むこともありましたが

焦らずリハビリを進めなくて良かったと

関わりを振り返り感じました。

 

リハビリに意欲的になれない方へは

こちらもじっくり腰を添えて関わりましょう。

時間はかかってもきっと成果が実る日が

来ると思います。

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看護師の離職は今に始まった話じゃない

「新型コロナウィルスの影響で看護師の離職が止まらない」のニュース。

 

いやいや、看護師の離職なんて前からだよ!

と1人ツッコミを入れていました。

 

離職理由はライフスタイルの変化、人間関係やハードな労働環境と賃金低さと様々でしょう。

 

看護師を支える体制が充分にないため、働き続けることが難しいのだと思います。

 

最近私たちの訪問看護ステーションに転職してきた方は、3歳の子持ちシングルマザーです。

 

小さな子供がいるという理由で、何ヵ所も面接すらできずに断られたと聞きました。

これを聞いて悲しくなりました。

 

こんなに女性が多い職業なのに、充分に女性を支援できていない。整っていないのです。

 

看護師は精神的苦痛がとても多いです。

今特に新型コロナウィルス対応している看護師にはメンタルサポートするカウンセラーが必要になります。全ての病院にいるでしょうか。

まだまだ足りないと思います。

そして病院は看護師を守っているでしょうか?

 

私たちは働く駒じゃないのです。

 

このように、新型コロナウィルスが原因で始まった話しではなく、それ以前から看護師の職場環境には辞めたくなる、または辞めざるを得ない状況が沢山あるのです。

 

これを機にもっと看護師が働き続けられる環境が整うことを願うと共に、声をあげていこう。

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上手くいかない日を乗り切る言葉

訪問看護であった今日の1コマ。

 

こんな言葉が相手にとって救いになったというお話です。

 

癌性疼痛で全く動けずいた方が、麻薬の頓服を上手く活用し、疼痛軽減。

少し活気がみられ、表情も明るくなってきたところでした。

 

しかし、訪問した日は再びベッドから起き上がれない状況で表情暗く...

 

「朝から何だか動けなくて。起きなきゃと思うのだけれど、そんな気になれなくて。情けないんです」と。

 

痛みも悪化はないのですが、動けない状況に気持ちが落ち込み、更に意欲的になれない様子。

動けない自分を責められてたのです。

 

身体と心は一体。

なぜなら、ストレスを感じると、それを脳でストレスですよ〜と認知され、心と身体を結ぶ神経路を通り、自律神経系に影響し様々な体調不良が出るのです。

 

まさにそんな感じでした。

 

「こんな日もあっていいよね」と思ったらいいですよ。動けない自分を責めないで下さいね

と伝えました。

 

1週間後、訪問すると笑顔で座って出迎えて下さりました。

「あの言葉にすごく助けられたんです。

 何だか楽になりました」と。

 

彼女が落ち込んだ日を救った言葉に

なりました。

 

「こんな日があってもいいよね」

 

これは、上手くいかない日でも

自分を認めて受け入れてあげる

言葉になると思います。

 

 

また、私にとって上手くいかない日や

言い訳したい日に使う言葉でもあるのです。 

 

色々と悩みが吹っ切れ

また明日から頑張ればいいやと思えます。

上手くいかない日使ってみてください。

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訪問看護師の生命

最近、保険の見直しをしていました。

そこで、私が定年まで貯金できる回数を

考えていました。

どうやらあと300回なのです。

具合的な数字にすると、お金をどう使うか

真剣に向き合える気がします。

 

残された命があと少しだった場合

あと何文字言葉を残せるのでしょう?

私なら綺麗な言葉を残そうと

発言が慎重になるだろうと思います。

 

今働いている訪問看護で考えると

1日平均5〜6件で仮に定年まで働くと...

私の場合は、あと36,000回

訪問看護師としてケアできる。

または、あとこれしか看護できないのか

と思うのかも知れない。

 

数字にすると1回1回の訪問が

すごく貴重に思えますよね。

 

あと36,000回の訪問看護寿命

そこで何をやり遂げれるのかと

考えるようになりました。

 

 

「色んなことを数値で表し可視化する」

 

これは時間をより大切に使おうと考えますし

人との関わりもきっと丁寧になるでしょう。

 

なかなかやりたい事に踏み出せない方は

きっと自分の背中を押す良い

方法ではないでしょうか。

 

残された看護師生命を大切に育みたい。

 

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訪問看護、家族との会話から

訪問看護の1つの楽しみ。

利用者さん、家族との会話です。

関わりが長くなり、少しずつ気を許せるのか

段々と色々な話をしてくれます。

93歳の方が、昔好きだった人の話をする

なんてこともあるのです。

 

私の担当で、認知症の奥様のケアで

訪問しているお宅があります。

 

勉強熱心な夫との2人暮らし。

奥様のケアと、夫との会話で、

あっという間の1時間。

最近、夫との会話から色々学びがあり

訪問が楽しみとなっています。

 

先日、「外出したいけど、外歩くのが

怖いんだよね。子供が急に来ても、すぐに

避けれないんだよ。足がもたついて。

それでぶつかってしまって。

でも誰が悪いかって、必ず大人なんだよ。

老人のせいになるんだ。」

と夫から言われたのです。

 

高齢者が転倒や、様々な理由で

外出が怖い、億劫と感じる状況がありますが

 

何かあれば、判断力や筋力が落ちて

危ないのに出かけ、「高齢者」のせいにされ

てしまうのではという怖さもあるのだと

気付かされました。

 

高齢者が家で閉じこもりがちな理由の1つは

私達周りが作ってしまっているのでしょう。

 

「外で転倒したら迷惑かけちゃう。」

迷惑だと思わせてしまってるのか?

 

「高齢だから危ないし運転は辞めてね。」

と言うのは簡単だ。

その代わりの外出手段は?

そこまで用意して伝えられているか?

 

安心して外に出られるよう、

社会や地域全体でもっと取り組まないと

いけないのですよね。

 

「お年寄りに優しくね」とは

じゃあ、どう優しくするのか?

もっと具体的に伝えることから始めよう。

 

ひとまず、お子様がいる方は、

「おじいさんは、歩くことにいっぱい力を使っ

てて○○ちゃんが走ってぶつかりそうに

なっても、避けるパワーがないの。だからおじ

いさんの近くを歩く時は気をつけてね。

道を譲ってあげてね。」

と具体的に伝えて欲しいです。

 

そんなことを思いながら、

明日も訪問へ、行ってきます!

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執筆家ナース

気が付けば11月ですね。

久々のブログとなりました。

 

看護師ライター講座を受講してから

ここでも紹介した、コラムを書かせて

頂きました。

 

そして今は、とあるナースの

本出版の制作に参加しています。

 

この本は悩めるナースに手に取って

欲しい内容です。

 

私も若い新人時代に読みたかったですね。

もちろん、中堅ナースでも全てのナースに

とって、楽しい看護師ライフを送れるヒントが

詰まっているのです。

 

文章練りながら今から出来上がりが

楽しみなんです。

 

それと、ある企業のテストライティングに

挑戦中です。

 

そんなわけで、文字起こしや記事作成と

慣れない作業に没頭した週末を 

数週間過ごしていました。

 

しかし、慣れない作業も数を重ねると

コツが掴めてきますね。

沢山記事を書いて経験つむことだなと

感じています。

 

そんな中思った事は、私はただ単にライターを

やりたい訳でも、複業が欲しい訳でもないのです。

今は訪問看護師として、関わるいろんな利用者の置かれている状況や家族の声、また訪問看護師について言葉にして届けたい。

 

そのためライター活動を通して、皆にわかりやすく、前向きで自分らしい言葉で伝えられる技を身に付けようと踏み出しているのです。

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看護師だからって当たり前にできる訳じゃない。

私の担当に終末期の方がいます。

介護者は娘さん。

その娘さんは同じく看護師。

元看護師でした。

看護師だから知識あるし家でも看れるよね...

そんな風に思われがちです。

 

その利用者が退院し初めて自宅へ訪問した

日のこと。

娘さんは看護師と事前情報があり

私の行うケアについて色々指摘されるのではと

逆にこちらが身構えていました。

しかし訪問すると本当に看護師だったの??

と疑うぐらいあたふた。

「こんなの私が働いてた時使ってなかった」

など言って。

ほぼ全介助だけれど娘さん1人で看るの

大丈夫だろうか?と先行き心配になりました。

 

数日後に訪問すると、要領を掴んできたのか

自分の看護観を持ってしっかりケアしている

娘さんがいました。

すっかり現役看護師でした。

 

自宅で看てどうですか?と聞くと

「病院と在宅って全く違う。他人を看るのと

家族を看るってこんなに違うんだと知った」

と言われました。

 

それから約4ヶ月経ちました。

そろそろ最期の時が近いのではないだろうか

という状態での訪問でした。

「在宅と病院はやっぱり違う」と改めて

娘さんが言われ...

「何が1番違うと感じましたか?」と問いかけました。

「ずっと傍で見てなきゃならないということ。

辛そうにしてる時もずっと傍でみてなくては

ならない状況がこんなにも大変で辛いとは思わ

なかった。病院なら何人も受け持ちがいて、

その場を離れ気持ちの切り替えができる。

家族となるとまた違う。」と話されました。

 

娘さんは最期まで在宅で看たい!と

1人でずっと看ていました。

意思疎通も難しく全介助な状況で、

訪問看護訪問介護サービスが

入ってはいましたが

1人でみる時間は多く負担も

多かったことでしょう。

 

娘さんは性格的にも責任感があり1人で抱えて

しまっていたのかも知れません。

 

それにプラスし看護師だったから看れるよね、

大丈夫だよねと思われてるんじゃないか?

と娘さんが言われていたことがありました。

 

もし私達医療者がそのように

思わせてしまう態度や発言をしていたことが

あれば反省です。

 

私はまだ親の介護をした経験はありません。

同じ立場なら同様な想いをしたかも知れない

です。

 

患者さんは他人です。

でもその患者さんに対して感情がない訳では

もちろんありません。

家に帰っても、あの患者さんあの後

痛みどうなったかな?と考える時もあります。

ですがちょっと客観的に冷静に考えることが出

来るかなと思います。

 

家族となると感情が先走ってしまいます。

 

この娘さんと関わりで看護師視点の

家族の想いを知ることができました。

 

看護師だから特別何でも病院と同じように

家で介護できる訳じゃないんだよ〜。

皆と同じように悩んだり不安になったり

するんだよ〜!と。

 

 

ちなみに私の看護師友達は

お産の後

看護師だから赤ちゃんのケアできると

思われてたのか

なかなか看護師や助産師さんが

母子同室の部屋に来てくれなかったと。

お産後の疲れがピークとなり「私は産科で働い

たことない!!」と看護師の前で大泣きしとい

うエピソードがありました。

 

看護師ってだけで何でもできると思われがち。

つい職業をヒミツにしてしまいたくなります。

 

そんなことを考えてた1日でした。

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