原付バイクで街駆け巡りナース 

訪問看護に転職したナースの日常ブログ。 こんなナースもいるんだと共感したり励みになって頂けたらと発信します。

最期まで可能性を広げる関わりをしよう

最近は、終末期ケアが続いていました。

訪問看護に転職して、住み慣れた自宅で

最期まで過ごせるのは自然であり

良いなと感じます。

 

さて、今回は介護職をしている利用者の娘さま

との関わりからの学びです。

利用者さんは長い間、疼痛コントロール

が難しかったのです。

薬剤調整し、娘さまに医療麻薬使用の指導を

行いながら、1人で介護していた娘さまの負担軽減のため毎日訪問しました。

 

痛みも落ち着き、傾眠がちになってきて

いたある日。

利用者さんが外出好きだったことを知り

ある看護師が、散歩を提案したのです。

「梅が見たい」と少し前に話していたと。

利用者さんもその提案に頷き承諾された。

 

そこからすぐケアマネージャーへ連絡。

リクライニング車椅子の手配をお願いし

看護師数名が外出に関われるよう

スケジュール調整。

提案から2日後、体調も変わらず

お庭まで車椅子で散歩。

タイミングよく梅の花も咲いていて

覚醒もあり見ることができたのです。

一緒に写真を撮ったりと娘さまは

喜ばれていたそうです。

外出の3日後、お亡くなりになりました。

 

「散歩の提案してくれて大変嬉しかった。

私は介護職をしていますが、

これはダメ、あれもダメと制限ばかり

ある中で働いていました。

だから外に出るなんて思い付きません

でした。ありがとうございました」

と娘さまより涙ながらに感謝の言葉を

頂いたのでした。

 

家族は状態が変わる中で

現状を受け入れることに必死です。

もうこんなこと出来ないだろうと

既に諦めている場合もあるのだと思います。

 

残り少ない時間をどう過ごしたいか?

何か手伝えることはないか?

本人や家族の望みを聞く際に、

「こんなことも出来ますよ」

と医療者から色々なアイデア

提案することも必要なのです。

 

最期まで希望を持って過ごして欲しいです。

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